医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院 整形外科リハビリテーション科

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前十字靭帯(ACL)のリハビリテーション

前十字靭帯(ACL)のリハビリの特徴

前十字靭帯(以下:ACL)損傷は、膝の内部にある関節を安定させる靭帯が断裂ないし損傷してしまう怪我のことをいいます。スポーツ選手に多く見られる怪我のひとつで、男性よりも女性に多くみられる傾向にあります。ACL損傷の多くは、相手選手との接触によるものではなく、急なストップ動作や方向転換、ジャンプの着地時に膝が内側に捻じれることによって起こります。

不幸にもACL損傷を負ってしまった場合、スポーツ選手や日常の活動レベルの高い方には、靭帯を作り直す手術が勧められます。手術からスポーツ復帰までは、早くても6ヵ月間以上の時間を要するため、手術後のリハビリテーションが非常に重要となります。

1日でも早いスポーツ復帰のためには筋力、関節の柔軟性が必須となりますが、運動によっては手術によって作り直した靭帯に負担をかけてしまうものもあります。そのため、手術後の各時期において、作り直した靭帯に負担をかけずに、かつその時点で最大の効果を得られる運動を行っていくことが重要となります。

当院では、近年の世界中の研究結果に基づいた手術後のリハビリテーションプログラムを作成しており、そのプログラムに沿ったリハビリテーションを行っております。そのリハビリテーションプログラムの一部を御紹介いたします。

下半身の強化トレーニング

1.フロントランジ

体重をかけられるようになってから行っていきます。 比較的早期から太ももの筋肉を鍛えつつ、バランス能力も改善していくために重要な運動です。いくつかのポイントがあり、作り直した靭帯に負担をかけないような方法で行っていく必要があります。

フロントランジ_1フロントランジ_2

ポイント

  • 膝とつま先がまっすぐ前を向くようにし、膝が内に入らないように意識する
  • 身体の軸がまっすぐになるようにする
  • 膝は60°以上曲げるようにする
  • 骨盤を起こすようにする
  • 太ももの前側と後ろ側の筋肉に同時に力を入れる

 2.片脚スクワット

作り直した靭帯の強度が増してきてから行います。

ランジよりもバランスがとりにくく、また膝が内側に入り易くなるので、難しい運動になりますが、スポーツ復帰には不可欠な運動になります。ポイントはランジと同じですが、痛みがあることも多いので、必ず担当のリハビリテーションスタッフにフォームをチェックしてもらいながら行いましょう。

良い例

良い例

悪い例

悪い例

間違ったパターン

写真右側は危険な例です。膝が内側に入ってしまっています。写真のように膝に捻じれが加わると作り直した靭帯に負担がかかってしまうので、 痛みが出たり、作り直した靭帯が緩んでしまったりします。

3.膝曲げ歩き

膝を曲げたまま、バランスをとりながら歩きます。

ランジなどの止まった状態での動きから、膝を曲げたまま歩くというようなより動きのある動作へと進んでいきます。 この運動もポイントがいくつかあります。

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ポイント

  • 膝とつま先がまっすぐ前を向くようにし、膝が内に入らないように意識する
  • 腰が上下しないようにする
  • 踵から着いて、つま先までしっかりと体重を乗せて歩く

膝に負担をかけないメニュー

1.体幹・股関節周囲のトレーニング

体幹や股関節周囲の安定性は、スポーツを行う上で非常に重要になってきます。

身体の中心である体幹や股関節周囲の筋力がしっかりとしていないと、スポーツ動作中に膝が捻じれてしまい、靭帯損傷を起こしたり、手術後も作り直した靭帯を再度損傷してしまったりする可能性が高まります。

実際に、体幹・股関節周囲の筋力が適切に働いていないと、片脚スクワットの写真でお見せしたように、膝が内側に入ってしまうことがよく見られます。

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当院では、患者様の状態に合わせて、膝に負担のかからない方法での体幹・股関節周囲のトレーニングを早期から行っております。上の写真はその一例です。天井から吊るされた特別な器具を使い、手術した膝より上を支えることで膝に負担をかけずに、 体幹・股関節周囲のトレーニングを行うことができます。

2.バランストレーニング

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バランス能力は、スポーツにおいて必要不可欠な要素です。前十字靭帯には、身体の動きや位置を感知するセンサーが多くあるので、その靭帯を損傷することで動きの感知が鈍くなると言われています。

そのため、バランスが悪くなってしまうことも考えられます。しかし、人体はその失われたセンサーの機能を他の組織で補っていこうとする能力を持っています。

他の組織のセンサーの感度を高め、もう一度バランス能力を取り戻すためにバランストレーニングが非常に重要になってきます。

上の写真はバランストレーニングの一例です。不安定な器具の上で片脚立ち練習をしています。

このような不安定な足場での片足立ちが安定してきたら、その上で片脚スクワットを行ったり、ボールを投げたりと徐々に動作を複雑なものにして、より不安定な状況をつくっていきます。

最後に

以上のような、いくつかのリハビリテーションメニューを紹介させていただきました。

手術後のリハビリテーションプログラムには基本的な流れがあり、それに沿ったトレーニングを行っていくことになりますが、 実際にどのようなトレーニングをどのタイミングで行うかは、個人によって様々です。

それは患者様一人一人の症状、筋力、目標、スポーツの種類等が異なっているためです。

適切なメニューを適切なタイミングで行ってもらうため、リハビリテーションスタッフがご指導いたしますので、よろしくお願いします。

前十字靭帯のリハビリスケジュール

 時期  リハビリの種類  備考
 手術前 頻度:1〜2回/週

  • 膝関節正常可動域の獲得
  • 術後のトレーニング内容を学ぶ
 手術翌日〜 頻度:毎日(入院中)

  • 炎症を抑える
  • 患部外の筋力低下を抑える
  • 松葉杖歩行
  • 術側下肢は非荷重
 術後3週〜 頻度:2〜3回/週

  • 松葉杖歩行の獲得
  • 関節可動域の拡大
  • 筋力強化
  • 松葉杖歩行(体重の1/3まで荷重可)
 術後4週〜 頻度:2〜3回/週

  • 松葉杖歩行の獲得
  • 関節可動域の拡大
  • 筋力強化
  • 松葉杖歩行(体重の2/3まで荷重可)
 術後5週〜 頻度:2〜3回/週

  • 正常歩行の獲得
  • 片脚の安定性獲得
  •  全荷重許可
 術後3ヶ月〜 頻度:1〜2回/週

  • 動作時の膝安定性向上
  • ランニング、ジャンプ動作開始
  • 装具除去(日常生活において)
 術後6ヶ月〜 頻度:1〜2回/週

  • スポーツ部分復帰
 術後8ヶ月〜 頻度:1〜2回/週

  • スポーツ完全復帰

*リハビリ前(手術前)の留意事項

手術後には膝関節の固定期間や免荷期間があるため、筋力がとても弱くなりやすい時期が続きます。また、前十字靭帯再建後には特有の筋力トレーニングがあるため、手術前から筋力をつけること、トレーニング内容を覚えることがとても重要になります。

前十字靭帯損傷後は膝関節の腫れが著しく、関節可動域制限の要因となります。 担当理学療法士の指示に従い、アイシングなどを用いて手術前に膝関節の正常可動域を獲得することが手術後のリハビリテーションに大きく貢献します。

 

*リハビリ後(手術後)の留意事項

前十字靭帯再建後は靭帯のとても弱い状態が続きます。そのため、日常生活やトレーニングの際にも常に装具を装着しましょう。また、トレーニングの仕方によっても靭帯にストレスをかけてしまうため、正しいトレーニング内容を学んで下さい。

よくあるご質問

Q.いつから松葉杖なしで歩ける様になれますか?

A.当院のプロトコル上では手術後5週目から松葉杖なしでの歩行が許可されます。しかし、痛みが長く続く場合や歩行が不安定な場合には松葉杖の使用を延長する場合もございますので担当理学療法士にご相談下さい。

Q.いつになったら装具がはずれますか?

A.手術後3ヶ月です。手術後3ヶ月までは靭帯がとても弱い状態であるため、日常生活でも常に装着しましょう。

Q.いつになったらスポーツ復帰できますか?

A.当院で定めている以下のスポーツ復帰基準を満たした場合としております。

Ⅰ.手術後8〜10ヶ月以上経過していること

Ⅱ.大腿四頭筋筋力が健側の80%以上

Ⅲ.Hop Test が健側の80%以上

Ⅳ.膝関節可動域に制限がない

Ⅴ.スポーツ動作に不安や恐怖心がない

リハビリテーション科

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